脳の神経回路の再構築
脳が自分を修復しようとあらゆる経路を試したり、新しく構築しようとすると、それらに信号が行ってしまい、例えば筋肉の伸縮信号の「伸」と「縮」が別ルートから出されてしまう。まるで悪魔の手のように、一生懸命頑張れば頑張るほど動かないことになる。
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こ の医師は、脳の神経回路の形成を意外ない方法で支援した。手の動かない患者に対して、医師が患者の手をとって動かし、同時に患者にそれをイメージさせる。 さらに医師は関連する筋肉へ自分の指で刺激を与える。
これによって、患者が脳からだす信号と、医師が信号を受ける側から与えた刺激がどこかのルートで合致 して、そのルートが正しいことを教える。まるでカーナビだ。これによって脳はそのルートが正しいと分かり、その神経回路を太く、揺るぎないものに再構築す る。
(この刺激を与えるポイントは非常に難しいらしく、少しでもずれると効果はないそうだ → これは麻痺した患者に対して摩ることで効果が出たという報告にも類推できるかもしれない)
こ れによって正しいルートを教えられた脳は、修復を集中させることで新しいルートを認識し、脳全体に信号を送らず、正しいルートにだけ信号を送ることができ るようになった。先ほどの脳の活動範囲が減ったというのは、不要な回路への信号を外部からの刺激によって減らし、正しいルートだけに信号を送らせるよう出 きた結果、指が動くようになったというものだ。すばらしい。
ただし、頑張り屋さんの脳もあきらめてしまうことがある。暫くの間がんばるけ れ ど、無理だとわかると修復をやめてしまうのだという。これは脳から出させる信号が微弱すぎて筋肉の伸縮に至らない状態らしい。そこで、現在の医療ではその 微弱な信号を増幅して筋肉に再送するリピータというかトランジスタのような装置があるらしい。この補助によって、最終的には機械に頼らず信号を送ることが できるようになるということだ。
また、そもそも間違った回路に信号を送っていることがある。これを同様に検知して、正しい場合と誤った場 合 の脳波をあわせることで、正しいルートを学習させる方法もある。まるでゲーム機のように正しい脳波になると◯、そうでなければ×のほうに感知した信号を ディスプレイに表示する。正しい場合を患者が学習して何度も挑戦するうち、正しい信号が送られるようになる。そして、最終的には麻痺した部位が正しい信号 によって動かせるようになるのだという。
脳の神秘。
# ちなみに寝過ぎても効果薄れるらしーぞ
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