「マウスが逝った(2) ~完全なる迷走~」までで、適当なマウスを購入するも合わず、別のマウス(Comfort Mouse 6000)を購入した。
しかし、これにも問題があり、販売元のマイクロソフト社へ問い合わせを行ったところまでを「マウスが逝った(3) ~後方支援~」に記載した。
さて、思いのほか早く新しいマウスが届いたのだが、いろいろ考えさせられるものだった。
禁則事項
ところが、裏面を見て驚く。
「転売禁止」と大きくシールが貼られている。
製品の箱は既に開けられているように見え、おそらく識別番号(シリアルナンバー)などを登録したのだろうと思われた。さらに詳しく見ると、マウス本体のバーコードも無効化されたような形跡(引っ掻いた)が見られた。
ここで考えさせられる事になった。
不具合のあった製品に出くわした場合に、正常に動作する製品と交換する義務と権利が契約された状態で販売されるのが一般的で、これを保証また補償などと言う。
今回、不具合のあった製品に出くわしたから、正常に動作する製品と交換してもらう権利があるとかんが得ることができ、同様の認識があって履行されたから、いま手元に正常に動作する製品が届いたのだろう。
仮にこれを1回限りとすれば、今回の対応でマイクロソフト社は対応を終え、これらの契約は正常に履行されたように見える。また、正常に動作する製品を手にした側も正しく契約が履行されたように見える。
少し視点を変えてみる。
購入者が一般に販売されている製品を購入し、それをどうしようが勝手だ。ひとつの例を挙げれば不要になったものを、それらを商いとするものなどに渡すことができる。これが所有権の譲渡などと言われる契約行為だ。
購入者はそれら一般的な権利を有していると考えると、不具合品を回収しない代わりにそれを転売してはならないが、正常に動作する製品を受け取る事ができる。が、本来正常に動作する製品に対して自身が保持していた譲渡する権利が一方的に消滅していることに注目する。
さて、本製品を試用もしくは使用した結果、必ずしも納得のいくものではないかもしれないし、購入品をどうしようが勝手なはずだ。
正常に動作する製品に出くわさなかったがためにこれらの権利が一方的に消滅してよいのだろうか。ただし、保証としての契約は履行されている。
正 常に動作する唯一の製品を手元に置くことが、これほどまでに難しいものならば、昔から運のよろしくない自分にとって、おいそれと製品を購入することもでき なくなってしまう。なぜなら、選択して購入する自由はあっても、正しく動作する製品を入手すると様々な制限を課せられることになるからだ。
なかなか考えさせられる内容だ。
断っておくが、前述したように、このマウスは合わなかった。だからと言って売っぱらってしまいたい。なのに転売禁止だから頭にきた!という内容ではない。
確かに合わなかったが、かといってモノグサな自分が、自己のリスクによって購入(合うか合わないかは使ってみなければ分からないというリスク)した製品を転売することはない。
ただ、視点を変えて考えてみると様々な考え方ができる、ということだ。
→ ってなわけで、次回もマイクロソフト社製マウスを買ったんだけどね。続く。